朝日日本歴史人物事典 「宇都宮泰綱」の解説
宇都宮泰綱
生年:建仁3(1203)
鎌倉時代の武将,歌人。宇都宮頼綱の子。母は北条時政の娘。下野守・正五位下,美濃国守護職などを歴任。鎌倉幕府に仕えて重用され寛元1(1243)年より没年まで18年間評定衆を務めた。幾度か上京しており,父頼綱らと共に藤原定家をはじめとする御子左家と親しかった。定家は泰綱に『古今集』を書写して与えている。多数の歌書を書写した西山往生院の承空はその子で,父祖同様浄土宗西山派に属する。他に景綱,北条経時の室などの子女がある。宇都宮歌壇の代表歌人で『新和歌集』に42首入集し,勅撰歌人でもある。また蹴鞠にも秀でていた。父頼綱と共に宇都宮氏の隆盛に力を尽くした。
(田渕句美子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報