朝日日本歴史人物事典 「守部大隅」の解説
守部大隅
奈良時代の官人,学者。名は大角とも書く。本姓は鍛師(鍛,鍛冶)造 であるが,神亀5(728)年守部連の姓を与えられた。律令や儒教の学に優れ,大宝律令の編纂者のひとりとして,文武4(700)年に褒賞を受けている。養老・神亀年間(717~729)に刑部少輔,明経第一博士などの地位にあり,学業に優秀で師範となすべき人として,賞せられた。神亀5(728)年おそらく老齢のため引退を願い出たが,詔あって許されなかった。神亀年間,令師,宿儒と称されていることからも重鎮ぶりがうかがえる。人柄も極めて清慎であった。
(東野治之)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報