はら【大角】
〘名〙 昔、
軍用に吹き鳴らした
楽器。「大角」の字はその形が
獣角に似るからといい、「はら」の訓は唐の大角を「簸邏廻
(はらかい)」といったのによるという。はらのふえ。
※
書紀(720)天武一四年一一月(北野本訓)「大角
(ハラ)、
小角(くた)、
鼓吹、
幡旗、及び弩
(おほゆみ)抛
(いしはしき)の類は私の家に存
(お)く応からず」
だい‐かく【大角】
[1] 〘名〙
四角形の
折敷(おしき)の八寸四方の大きさのもの。
[2] (「たいかく」とも)
牛飼(うしかい)座のアルファ星アルクトゥルスの中国名。二十八宿中亢
(こう)宿に属し、
古くから
方角や
時間を知る
目標となり、また、
農業をつかさどる星とされた。
おお‐がく おほ‥【大角】
〘名〙
①
木材の製材規格。
日本標準規格制度以前の
尺度で、九寸角(約二七センチメートル角)以上をいう
地方と、七寸角(約二一センチメートル角)以上をいう地方とがある。⇔
押角(おしかく)。〔日本建築辞彙(1906)〕
② 銭一三二文をいう、昔の芝居社会の
隠語。〔劇場新話(1804‐09頃)〕
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デジタル大辞泉
「大角」の意味・読み・例文・類語
はら‐の‐ふえ【大=角】
上代、戦場で吹き鳴らした角笛。獣の角に似た形のもの。はら。〈名義抄〉
はら【大=角】
「はらのふえ」に同じ。
「―、小角、鼓吹」〈天武紀〉
おお‐かく〔おほ‐〕【大角】
斧や手斧で削っただけの山出しの角材で、30センチ角以上のもの。
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大角
だいかく
うしかい座α星 (固有名アルクトゥールス ) の中国名。大角星ともいう。この呼び名は日本には推古時代に伝わったという説がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典内の大角の言及
【アークトゥルス】より
…アークトゥルスとは,ギリシア語のアルクトゥロスに由来し,〈熊の番人〉の意味である。中国名は大角。これは,さそり座を青竜と見て,その2本の角の一つとしたものである。…
※「大角」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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