安曇郡(読み)あずみぐん

日本歴史地名大系 「安曇郡」の解説

安曇郡
あずみぐん

和名抄」記載の古代信濃国一〇郡の一つ。「和名抄」流布本には「安曇郡」と記し、「阿都(ママ)」と訓じている。信濃国の西部に位置する。東はさい川及び東部山地によって更級さらしな郡・水内みのち郡と境し、南は犀川の上流あずさ川を隔てて筑摩郡に接する。西は高峻な飛騨ひだ山脈を隔てて飛騨国に隣り、北はひめ川の下流で越後国と境する。この地形によって囲まれた細長い盆地が安曇郡で、大別して東流する梓川流域と南流する高瀬たかせ川流域を含む南部地域と、北流する姫川の流域全部を含む北部地域に分れる。高瀬川の支流黒沢くろさわ川・からす川・中房なかぶさ川・足間あしま川・川等の河川は飛騨山脈から流れ出して壮大な複合扇状地をつくり、本流に合流する辺りは肥沃な沖積地となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報