安曇(読み)あずみ

精選版 日本国語大辞典 「安曇」の意味・読み・例文・類語

あずみあづみ【安曇】

  1. 長野県北西部にあった郡。明治一二年(一八七九)北安曇・南安曇の二郡に分かれた。「和名抄」では「あづし」。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「安曇」の意味・わかりやすい解説

安曇
あずみ

長野県中西部、南安曇郡にあった旧村名(安曇村(むら))。現在は松本(まつもと)市の西部を占める。旧安曇村は2005年(平成17)松本市に編入。旧村域は北アルプスの中心部である穂高岳(ほたかだけ)や、上高地(かみこうち)、乗鞍高原(のりくらこうげん)にまたがり、そのほとんどは山地であるため、古くから山林業や、観光が村民の生活の中心をなしてきた。深い渓谷をなす梓川(あずさがわ)に沿って、近世は松本と高山を結ぶ野麦街道(のむぎかいどう)が通じ、現在はこれにかわり国道158号から安房(あぼう)峠道路(有料)に入り、峠下をトンネルで抜けて高山に通じる。また、松本電鉄が新島々(しんしましま)駅まで通じている。穂高岳、槍ヶ岳(やりがたけ)や上高地、乗鞍岳と乗鞍高原など県下有数の山岳観光地のほか、中ノ湯、坂巻(さかまき)、白骨(しらほね)などの山中の温泉や、奈川渡ダム(ながわどだむ)(梓湖)など多くの観光地に恵まれている。梓川が盆地に流れ出る所にある島々地区からは、イギリス人宣教師ウェストンが入山した北アルプス近代登山史上名高い徳本峠(とくごうとうげ)へ通じる。なお、1972年(昭和47)スイスグリンデルワルトと姉妹村になった。

[小林寛義]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「安曇」の意味・わかりやすい解説

安曇
あづみ

長野県中西部,松本市西部の旧村域。飛騨山脈の東斜面と上高地を占める。 2005年松本市に編入。中心集落は梓川谷口にある島々 (しましま) で,ほかに谷沿いに小集落が立地する。大正末期頃までは林業を主としたが,近年登山が盛んになるに従い,槍ヶ岳,穂高岳など飛騨山脈 (北アルプス) 登山の中心や,国の特別名勝・特別天然記念物の上高地,乗鞍高原など景勝地をもつため観光が主産業となった。白骨温泉上高地温泉坂巻温泉などの温泉地や奈川渡ダム,白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石 (国の特別天然記念物) などがある。一部は中部山岳国立公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「安曇」の意味・わかりやすい解説

安曇 (あずみ)

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世界大百科事典(旧版)内の安曇の言及

【安曇[村]】より

…長野県中西部,南安曇郡の村。現地標音では〈あづみ〉。…

※「安曇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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