出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
長野県北部から新潟県南部にかけて流れる川。幹川流路延長55.2km。青木湖の北部に源を発し,糸魚川-静岡構造線に沿って中谷川,大所川,小滝川などの支流を合わせながら北へ流路をとり,糸魚川市街地の西方で日本海に注ぐ。水源部は,犀(さい)川上流の農具川の水源である青木湖と谷中分水界をなす。流域は高く険しい山地であるため水資源に恵まれ,とくに第2次大戦後,電源開発が進んだ。現在,水系にある合計19の発電所から最大出力約23万kW(1997)の電力が生み出され,下流部の糸魚川市にセメントなどの工業を成立させる要因となっている。姫川の流路に沿って走る国道148号線は,近世には千国(ちくに)街道(糸魚川街道)と呼ばれた重要な交通路で,日本海側から松本盆地まで,塩や〈糸魚川ブリ〉などの生活物資の輸送に用いられた。
中流部の平岩と小滝の間は姫川渓谷と呼ばれる景勝地で,春から秋にかけてハイカーを多く集める。これよりやや上流部の姫川温泉(食塩泉,60~79℃)は,1957年に蒲原温泉からの引湯で開発された。近くに宝生(姫川温泉)スキー場などがあり(76年まで営業),スキー客や登山客でにぎわう。支流の小滝川流域は,古くからヒスイを産出することで知られ,小滝川の硬玉産地として天然記念物に指定されている。また,河口の姫川港からは石灰石やセメントが積み出される。
執筆者:中俣 均
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
新潟県西端、糸魚川市(いといがわし)の中央を流れる川。一級河川。源を長野県北安曇(きたあずみ)郡の白馬(しろうま)岳に発し、日本列島の継ぎ目といわれるフォッサマグナの谷に沿って県境山地を峡谷で横断し、JR糸魚川駅の南西で日本海に注ぐ。流域面積722平方キロメートル、流路延長60キロメートル。上流の県境山麓(さんろく)では大所(おおどころ)川、小滝(こたき)川、根知(ねち)川などをあわせる。上流は第二次世界大戦後電源開発が進められ、四つの発電所で10余万キロワット/時の発電量をあげている。沿線にはかつて「塩の道」とよばれた松本街道が通り、県境の峠越えはボッカ(歩荷)とよばれた背負子(しょいこ)でにぎわった。現在は、国道148号、JR大糸線がこれにかわり、平岩(ひらいわ)駅付近には温泉、スキー場も多く、白馬岳の登山口として、白馬山麓県立自然公園に指定されている。小滝川流域は硬玉(ヒスイ)の産地として有名で、国の天然記念物に指定されている。
[山崎久雄]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…現在,水系にある合計19の発電所から最大出力約23万kW(1997)の電力が生み出され,下流部の糸魚川市や青海(おうみ)町にセメントなどの工業を成立させる要因となっている。姫川の流路に沿って走る国道148号線は,近世には千国(ちくに)街道(糸魚川街道)と呼ばれた重要な交通路で,日本海側から松本盆地まで,塩や〈糸魚川ブリ〉などの生活物資の輸送に用いられた。 中流部の平岩と小滝の間は姫川渓谷と呼ばれる景勝地で,春から秋にかけてハイカーを多く集める。…
※「姫川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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