安波賀村(読み)あばがむら

日本歴史地名大系 「安波賀村」の解説

安波賀村
あばがむら

[現在地名]福井市安波賀町

一乗谷の北、一乗谷川が足羽あすわ川に合流する付近に位置し、集落はその西岸にかたまる。村名は正保郷帳にみえるが、地名は室町初期に朝倉氏の守護神として但馬国朝来あさご粟鹿あわが神社(現兵庫県朝来郡山東町)をここに分祀したことに由来すると考えられ、朝倉高景の次男茂景が土着して阿波賀氏を称したらしい。永享九年(一四三七)頃の越前国河口庄十郷十郷諸職人(大乗院文書)に「大口郷八分政所朝倉ノ阿波賀」とみえ、その他諸史料にも散見する。永禄五年(一五六二)秋、京都より下向した大覚寺義俊を慰めるため朝倉氏は安波賀河原で曲水の宴を開いた。「朝倉始末記」に「於一乗脇坂尾、曲水ノ遊宴有之」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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