安渡村(読み)あんどむら

日本歴史地名大系 「安渡村」の解説

安渡村
あんどむら

[現在地名]むつ市大湊おおみなと大湊新おおみなとしん町・大湊浜おおみなとはま町・大湊上おおみなとかみ町・川守かわもり町・宇田うた町・大湊町・桜木さくらぎ

釜臥かまふせ(八七八・六メートル)の東南に位置し、大湊湾に面する。南湾上にあし崎が延びて入江を形成する。北東は大平おおだいら村、南は城ヶ沢じょうがさわ村に接する。正中二年(一三二五)の安藤宗季譲状(新渡戸文書)の「うそりのかう(宇曾利郷)のうち たや(田屋)たなふ(田名部)あんと(安渡)のうらをは」とあり、当地は一期分として女子とら御前に与えられている。康正年間(一四五五―五七)の蠣崎の乱の頃は「安海」と称し、南隣の城ヶ沢には順法寺じゆんぽうじ城があったと伝える(東北太平記)。かつては現在の大湊上町を上町、大湊浜町をしも町と称していたが、これは同城を上方とした遺風によるものという(田名部町誌)

正保四年(一六四七)の南部領内総絵図に安渡村九石余とみえ、同年の郷村帳によれば九・七二七石のうち八・八六八石が畑であった。寛政年間(一七八九―一八〇一)の「邦内郷村志」には高九二石、うち畑四二石余とあり、戸口は一二八軒・八一五人。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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