論理学で、公理語が要求される性質を備えていることをいう。命題論理については、その公理から証明されることがすべてトートロジー(同語反復)であり、逆にトートロジーはすべて公理から証明されることであるが、この完全性が成り立つことが、たやすく証明される。述語論理については、その定理が、述語のどの解釈に関しても正しくなること、逆にまた、述語のどの解釈に関しても正しくなる命題がすべて定理となること、であるが、この完全性も成り立っていることを、1930年数学者ゲーデルが証明した。これはモデル理論の基本定理である。集合論においては、矛盾がなく、集合論の概念だけが使われた命題については、すべてその肯定形か否定形かのいずれかが定理となることであるが、この完全性は成り立ちえないことを、31年同じくゲーデルが証明した。これは、多くの論理学者の期待を裏切る結果で、当時多大のセンセーションを引き起こした。
[吉田夏彦]
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