宍喰屋次郎右衛門(読み)ししくいやじろうえもん

改訂新版 世界大百科事典 「宍喰屋次郎右衛門」の意味・わかりやすい解説

宍喰屋次郎右衛門 (ししくいやじろうえもん)

江戸前期の大坂町人。生没年不詳。南組惣年寄を務めた。1955年に埋め立てられた立売堀(いたちぼり)川は,1620年(元和6)に開削着手,一時中止となっていたが,彼によって工事再開され,26年(寛永3)完成。これによって新町が発展したという。この運河に架かっていた宍喰屋橋は,彼を記念したものと伝える。新町のうち佐渡屋町隠宅置き,宗甫と号した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宍喰屋次郎右衛門」の意味・わかりやすい解説

宍喰屋次郎右衛門
ししくいやじろうえもん

生没年不明。江戸前期の大坂町人。1679年(延宝7)の『難波鶴(なにわのつる)』に、住所は立売堀(いたちぼり)で南組惣年寄(そうどしより)の一人としてみえる。立売堀は、伊達(いたち)堀、鼬(いたち)堀とも書き、大坂西横堀(にしよこぼり)川より百間堀(ひゃっけんぼり)川へ入る数条の堀川の一つであり、1620年(元和6)開削、いったん中断したが、26年(寛永3)宍喰屋により完成された。東より5番目の橋を宍喰屋橋という。おそらく付近に屋敷があったのであろう。

[脇田 修]

『『大阪市史 第1巻』(1913・大阪市)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宍喰屋次郎右衛門」の解説

宍喰屋次郎右衛門 ししくいや-じろうえもん

?-? 江戸時代前期の商人
大坂の南組惣年寄で,廻船問屋をいとなむ。中断していた立売堀(いたちぼり)川の開削を再開,寛永3年(1626)完成させた。その名は宍喰屋橋(昭和31年撤去)にのこった。号は宗甫。

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