日本歴史地名大系 「官版実測日本地図」の解説
官版実測日本地図(蝦夷諸島)
かんぱんじつそくにほんちず
一五二×一九六センチ 木版色刷 大学南校 明治三年 北海道大学附属図書館蔵
解説 明治二年に旧幕府の開成所を改組した大学南校(東京大学の前身)が、翌三年に四枚一組の折図として刊行した伊能忠敬の大日本沿海輿地全図のうち北海道と南千島諸島の地図で、「北蝦夷」の北緯四七度以南の部分も含んでいる。本図の輪郭の大半は伊能忠敬・間宮林蔵の蝦夷地沿海実測図である。伊能図の小図(縮尺四三万二千分の一)を利用しているが、他の二枚の日本本土の地図(「畿内・東海・東山・北陸」および「山陰・山陽・南海・西海」)の内陸がほとんど空白であるのに、本図の内陸部は松浦武四郎の東西蝦夷山川地理取調図を利用して山々や河川、地名などがびっしりと記入されている。なおこれらの地図は慶応三年に開成所が刊行した地図の再版といわれている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報