宝口(読み)たからぐち

日本歴史地名大系 「宝口」の解説

宝口
たからぐち

[現在地名]那覇市首里儀保町四丁目

王家の陵墓があった地域をいう。一帯西森にしむいともいった。西は北のことで本来の意味としては北森のこと。首里古地図によると下儀保しむじーぶ村の北側で北は儀保じーぶ御待所から延びる道と、南は儀保井じーぶがー(古地図では儀保川)から延びる道とに挟まれた森林丘陵地帯周辺をさして宝口としている。貴人の骨を宝物といったことから宝口といわれているのではないかとされる。崇元そうげん寺に至る真嘉比まかん道の入口にあたる。

墓陵は当初王の妻の墓として築かれたようで、「中山世譜」巻一〇によると、乾隆四七年(一七八二)に尚哲王の長子尚法が二歳で夭折した際に一時的に西森御墓に葬られたとある。同書によれば尚法の遺骨は同五九年に玉陵たまうどうんに移葬された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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