朝日日本歴史人物事典 「宮野尹賢」の解説
宮野尹賢
生年:天和2(1682)
江戸中期の儒学者,神道家。名は「いんけん」とも読む。秋田藩領の出羽国秋田郡綴子村(秋田県鷹巣町)出身。生家は新田の大開発を行った豪農。宝永4(1707)年京都に遊学して,玉木葦斎に垂加神道系の橘家神道を学び,正徳5(1715)年伊藤東涯に入門して古義学を学ぶ。同年秋ごろ帰郷。秋田領北部の好学の人々に大きな影響を与えた。ただし儒学の分野では古義学でなく朱子学に依存しており,それも日本人の注解によらず,中国人の注解を和刻本を中心に広く学んでいる。現存する著作は『神道常世草』『中庸章句助講』など。
(三宅正彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報