家産分割(読み)かさんぶんかつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「家産分割」の意味・わかりやすい解説

家産分割
かさんぶんかつ

漢代頃から近時までの中国において,「同居共財」 (家族共産制) を解消するための重大な法律行為であり,「分家」,「分析」などといった。分割は,おもに家父生存中その意思によって行われる場合と,死後,子たる兄弟の間で行われる場合とがあり,兄弟均分が大原則であって,祭祀における兄弟平等と同じ理念に立つ。未婚女子は,若干の持参財産を分与されたにとどまる。家産分割は,同時に相続要素を含み,家産分割と対立する遺産相続は存在しなかった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の家産分割の言及

【家族法】より

…他面に,かような収入の持寄りによって維持される家の財産に対して,各人は相互間の親族身分関係から定まるところの法的な権利を有する。その権利はいつの日か家産分割という形で実現される。 家産をめぐる家族各人の権利は,祭り祭られる関係のなかに各人が占める地位の反映であるということができる。…

【相続】より

…通常の意味の相続のように父の死によって,彼の財産が相続人に移転し相続が開始されるという事件が起こらないのである。もしこうした同居共財の関係を絶ち切ろうとすれば家産分割しか方法はない。こうなるともはや〈分割〉の問題であり〈相続〉の問題とはいえないこととなる。…

※「家産分割」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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