密教立(読み)みっきょうだて

改訂新版 世界大百科事典 「密教立」の意味・わかりやすい解説

密教立 (みっきょうだて)

寺事(てらごと)の分類名。顕教立けんぎようだて)に対する名称。略称は密立(みつだて),顕立(けんだて)。一定の順序で印を結び真言を唱えていくことで諸尊を供養するなど,秘儀を伴う法要密教立といい,〈理趣三昧(りしゆざんまい)〉〈曼陀羅供(まんだらく)〉などがこれに属する。これに対し,教義や教史を言葉で説くことを主にする法要を顕教立といい,〈講讃〉〈竪義(りゆうぎ)〉〈講式〉などがこれに属する。なお,礼拝行(らいはいぎよう)である〈悔過作法(けかさほう)〉などは,両者のいずれとも性格が異なるので,これらを別立(べつだて)と考えて3分類するほうがわかりやすいが,顕密に二分して考える場合は,顕教立に含める。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android