〈豎義〉〈立義〉とも書く。〈竪〉は慣用音で立てるという意味。義を立てる,理由を主張するということ。仏教では諸大寺の法会にあたって行われた学僧試業の法のこと。また論題提出僧すなわち探題より出された問題について,自己の考えを教理をふまえて主張する僧を指す場合も多い。この場合は竪義者というが,単に略して竪者(りつしや),立者ともいう。南都の三会,東大寺法華会・方広会や,興福寺慈恩会,園城(おんじよう)寺十月会,延暦寺六月会などは竪義を設け,学業の成果を判定した。江戸時代中期以降,大和長谷寺においても伝法会が設けられて竪者を立てるなど,僧階補任あるいは昇叙の一階梯とした。式は論義を中心とするもので,竪者は講座の上に着座する。まず探題が問題を設け,問者(もんじや)が質問し,竪者がそれに反答し,その問答を注記が記録,精義者が判定して得否すなわち及落を定める。中世以降はまったく形式化し,問いも答えも固定化して抑揚をつけて読みあげる節も定まった。竪義は学僧への初段階の試験であり,三会の竪義を遂行した僧は得業と称せられるなど,已講(いこう)への階梯として重視された。
執筆者:堀池 春峰
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…(1)仏教教学における僧の役名。学問僧の資格試験〈竪義(りゆうぎ)〉の出題,採否にかかわる最高責任者。竪義は,経論の要義を問答の中で披瀝する論義という形式で行われるが,探題はその論題を選定し,論義の経過を見届けて採否を慎重に吟味し,最終的な判定を行う。…
…仏教学における学問僧の資格試験竪義(りゆうぎ)の受験者のこと。学問僧としての実力を問われ,合格の場合は講師(こうじ)などの重要な役につく資格を与えられる。…
※「竪義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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