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寡占 かせん oligopoly

翻訳|oligopoly

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

寡占
かせん
oligopoly

完全競争でも完全独占でもなく,少数の売手または買手が競争しながら,ある程度社会全体の需給量と市場価格とを支配しうる市場状況をいう。形式的には売手または買手が2人の場合を複占 duopoly,3人以上の場合を多占 polipolyと呼ぶ。

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デジタル大辞泉の解説

か‐せん〔クワ‐〕【寡占】

少数の供給者が市場を支配している状態。買い手が少数の場合を買い手寡占とよび、これと区別して特に売り手寡占ともよぶ。

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百科事典マイペディアの解説

寡占【かせん】

限られた少数の大企業が市場を支配しながら,相互に競争している市場構造。特に一社だけが群を抜いて大きいときガリバー型寡占といい,二つの場合を複占という。寡占産業では,企業活動の安定を図るため,価格競争シェア獲得競争が硬直化し,経済全体の価格メカニズムが阻害される。
→関連項目価格破壊参入障壁

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栄養・生化学辞典の解説

寡占

 少数の企業で市場を支配すること.

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世界大百科事典 第2版の解説

かせん【寡占 oligopoly】

複数のしかし少数の大企業がその産業のマーケット・シェアを占めている産業構造のことで,オリゴポリーともいう。日本における典型例としての自動車ビール,鉄鋼業等を取り上げるまでもなく,現代資本主義経済の特徴的な産業構造である。寡占は,一つには寡占企業がその独占力を使って,価格をつり上げ効率的な資源配分を乱すとともに,消費者から独占的な利潤を得ることによって所得分配に影響を与える。一方,寡占産業では価格や各企業のマーケット・シェアが硬直化し,あるいは価格の下方伸縮性が失われる(=価格の下方硬直性)ことによって,経済全体での価格メカニズムの働きが阻害されるため,失業,景気循環インフレーション等,現代経済のマクロ的諸病理の原因の一つであるとされる。

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大辞林 第三版の解説

かせん【寡占】

少数の大企業が産業を支配しながら互いに競争し合う市場構造。完全競争と独占の中間的形態。企業は市場価格を左右する力をもち、互いに他社の反応を考慮して行動するという特徴がある。オリゴポリー。 → 独占完全競争

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寡占
かせん
oligopoly

少数の大企業によって市場が支配されている状態であり、現代経済においては代表的な市場形態である。売り手側が少数の場合を売り手寡占、買い手側が少数の場合を、買い手寡占といい、両者とも少数の場合を双方寡占という。
 寡占は、理論的あるいは経験的に、企業数、集中度、企業規模、製品差別化、参入障壁などの程度に応じていろいろな形に分類されるが、いま売り手の集中度の側面からみてみると、わが国においては次の三つの寡占のタイプがみられる。第一は極高位集中寡占であり、2社ないし3社の大企業のみにより市場が支配されている状態である。大型自動車、板ガラス、写真フィルムなどの製造業がこのタイプに属する。第二は高位集中寡占であり、この場合には4社から10社程度により市場が支配されている。ビール、ナイロンなどの製造業にみられる。最後はガリバー型寡占であり、少数の大企業(寡占核、ガリバー)の周りに多数の小企業からなる競争的周辺部competitive fringeが存在している状態である。飲用牛乳、小麦粉、合成洗剤、バターなどの製造業がこれに属する。[内島敏之]

寡占の特徴

寡占状態における特徴の一つは、企業の数が少ないために、他企業の行動および政策を各企業が予測することがある程度可能なことである。また他企業の行動の変化に対してライバル企業は敏感に反応する。各寡占企業は、このような企業間の相互依存関係を十分に認識しながら価格・生産政策を決定する。また、企業どうしが協調して、価格協定を結び価格を高めに維持しようとしたり、カルテルを形成して、個々の企業が独自に利潤を追求するのではなく、共同利潤の最大化を図ろうとする。寡占においては協調・結託することによって、より大きな利潤を獲得する可能性が大きいのである。
 寡占におけるいま一つの特徴は、企業の製品が差別化されていることが多いということである。ある程度の密接な代替関係をもつ、同一の市場に属する商品が、(1)宣伝広告、(2)デザイン、品質、包装などの異質化、(3)アフター・サービスや信用供与などの付帯サービス、などによって買い手の選好を強め、代替関係が不完全であるときに製品差別があるという。製品差別の程度が強くなると、製品間の代替関係は弱まり、製品ごとに独占に近い市場が形成されることになる。このような製品差別がみられる寡占市場を差別型寡占とよぶ。製品を大きく中間財、投資財および消費財の三つに区別すると、一般にはこの順序で製品差別の程度が強まり、寡占市場の独占化の程度も高まっている。[内島敏之]

寡占の影響

このような寡占は、アメリカにおいては1930年代のニューディール期にその傾向がみられるようになり、第二次世界大戦後確立した。わが国では、戦後、高度成長に伴って旧財閥系企業グループなどを中心に寡占化が進められた。
 寡占のもたらす影響としては、次のようなものがあげられる。(1)不況期にもかかわらずなかなか価格が低下しない(価格の下方硬直性)、(2)原材料費や賃金の上昇が価格に転嫁されやすい(管理価格インフレ)、(3)競争圧力が小さいので新製品や新工程の開発のインセンティブ(誘因)が少ない(技術進歩の停滞)、(4)価格協定やカルテルの形成により独占利潤が生まれ、経済全体の厚生が低下する(資源配分の非効率性)。[内島敏之]
『植草益著『産業組織論』(1982・筑摩書房)』

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世界大百科事典内の寡占の言及

【寡占規制】より

…寡占市場においては,資源配分上のロスが生ずるのみならず,企業がとくにカルテルによらなくとも互いに競争を回避して,容易に同一行動を取るようになることが理論的に指摘されており,自由競争の政策上は無視しえない弊害が存する。その根本的解決をはかろうとするならば,寡占企業を分割する等の手段を用いて,市場構造を競争的なものに変革する以外にはない。…

【競争】より

…また両者とも単一の企業である場合を双方独占という。つぎに,多数の需要者に対して数個ないし十数個の企業が相互間に無視できない経済的影響を及ぼしあって競争しているケースが典型的な寡占であり,企業数が2の寡占をとくに複占という。寡占市場は,そこで取引される生産物が同質とみなされるかあるいは製品分化があるかにしたがって,競争の内容は大いに異なったものになる。…

【独占】より

…地理的範囲および商品の性質で限定される一定の市場での取引を,一企業が一手に握ることを独占という。ただし現実には一企業による市場の支配という文字どおりの独占は少なく,比較的少数の企業が市場を支配する寡占(その特殊形態が複占)が多い。多数の企業からなる競争的市場からの乖離(かいり)を指して,すなわち寡占も含め独占という語句が用いられることも多い。…

【不完全競争】より

…このような現象は,製品分化ないし製品差別化とよばれている。 このように現実の市場は,同種の製品を生産する競争企業の数はそれほど多くなく(寡占),たとえ同一の価格水準でも特定の店で(あるいは特定の企業の製品を)買ったりする(製品分化がなされている)ことも多いだろう。しかも,ある製品を作ればもうかることがわかっていても必要資本量が巨額であるとか特許や事業免許などの法的・制度的要因によって容易に参入できない(参入障壁が高い)ことも多いだろう。…

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