富熊村(読み)とみくまむら

日本歴史地名大系 「富熊村」の解説

富熊村
とみくまむら

[現在地名]綾歌町富熊

現綾歌町の北東部に位置し、北東端から東境には竜王りゆうおう(二五五・一メートル)のある低い山地があり、北部は標高一〇〇メートル前後の山地で、西・南部は東大束ひがしだいそく川が北流し平地が広がる。当地に住んでいた讃留霊公の子孫綾益甲の住居近くの栗の木の根元から清泉が湧き、常に玉のごとくに星影を宿したので、玉井と称された。この玉井周辺に住む人々は富貴豊饒であったから当地を隈玉・栗隈の里と称したという富熊・栗熊くりくま一帯の古伝承があり(「讃留霊王公胤記」など)地名の由来とされる。古代の条里遺構が残る。

永和四年(一三七八)九月二日の預所左衛門尉安堵状(善通寺文書)で、善通寺塔婆領の井上郷公文職新土居(富熊三反を含め一町二反余)が安堵されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android