20世紀日本人名事典 「寺村五一」の解説
寺村 五一
テラムラ ゴイチ
昭和期の出版人 白水社会長。
- 生年
- 明治35(1902)年8月25日
- 没年
- 昭和52(1977)年10月31日
- 出生地
- 東京市日本橋区(現・東京都中央区)蛎殻町
- 学歴〔年〕
- 五井尋常高小尋常科〔大正4年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 勲四等瑞宝章〔昭和47年〕
- 経歴
- 小学校を卒業して神奈川県大磯から上京、日本橋の大倉書店に入り、出版編集、小売りに従事。大正13年白水社入社、昭和5年取締役、26年専務。関東大震災で焼けた社の復興のため「新仏和辞典」やフランス文芸書など主に翻訳書を出版。11年には岸田國士主宰の「劇作」を刊行、内村直也、田中千禾夫ら気鋭の作家を集めた。岸田訳の「ルナアル日記」「パスカル瞑想録」「チボー家の人々」、関根秀雄訳「モンテーニュ随想録」など、白を主調としたフランス風装丁で白水社のイメージを高めた。戦後は外国の翻訳もの新書版シリーズ「クセジュ文庫」などで人気を得た。46年社長となり、中堅出版社で構成された「梓会」副幹事、幹事、日本書籍協会理事、高等教科書協会理事などを務め、52年社長を退いた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報