内村 直也
ウチムラ ナオヤ
昭和期の劇作家
- 生年
- 明治42(1909)年8月15日
- 没年
- 平成1(1989)年7月27日
- 出生地
- 東京・青山
- 本名
- 菅原 実
- 学歴〔年〕
- 慶応義塾大学経済学部〔昭和7年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- NHK放送文化賞〔昭和35年〕,毎日芸術賞〔昭和39年〕,紫綬褒章〔昭和49年〕,勲三等旭日中綬章〔昭和57年〕,イタリア放送協会賞「漁夫」(QR)
- 経歴
- 演出家・菅原卓の実弟。学生時代より岸田國士に師事、演劇誌「劇作」創刊同人になる。昭和10年同誌に初作「秋水嶺」を発表、築地座で初演される。一方、父の残した電気会社に就職。以後、劇作家との二足のわらじをはくが、27年以降劇作に専念。国際演劇協会(ITI)日本センター会長や、中央教育審議会委員もつとめた。作品に「遠い凱歌」「時と緋笠一家」「沖縄」「えり子とともに」「跫音」など。著書に「ドラマトゥルギー研究」「女優・田村秋子」「ラジオ・ドラマ方法論」「テレビ・ドラマ入門」など。放送作家としてよりも、近代心理劇の劇作術の一般化に貢献した。「雪の降る街を」の作詞者としても有名。「内村直也戯曲集」がある。没後内村直也賞(ITI)が設けられた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
内村直也
うちむらなおや
(1909―1989)
劇作家。東京生まれ。本名菅原実(すがわらみのる)。慶応義塾大学経済学部卒業。学生時代に岸田国士(くにお)門下となり、1935年(昭和10)に処女作『秋水嶺(しゅうすいれい)』を築地座(つきじざ)で初演。第二次世界大戦後は『雑木林』、『遠い凱歌(がいか)』、『沖縄』などを発表。また放送劇の分野も開拓し、NHK連続ラジオドラマ『えり子とともに』(1949~1952)は大ヒットした。翻案劇に『夜の来訪者』、また『ドラマトゥルギイ研究』の著書もある。演出家菅原卓(たかし)(1903―1970)は実兄。
[石澤秀二]
『『ドラマトゥルギイ研究』(1956・白水社)』▽『『内村直也戯曲集』(1966・白水社)』
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内村直也
うちむらなおや
[生]1909.8.15. 東京
[没]1989.7.27. 東京
劇作家,放送作家。本名菅原実。 1932年慶應義塾大学経済学部卒業。在学中から岸田国士に師事し,兄らと創刊した『劇作』に処女作『秋水嶺』 (1935) を発表。第2次世界大戦後,俳優座などに『雑木林』 (48) ,『沖縄』 (60) などの戯曲を提供する一方,放送の分野にも進出。 49年から2年7ヵ月にわたって放送された『えり子とともに』は,みずから作詞した劇中歌『雪の降る街を』とともに大ヒットした。ミュージカルや創作文楽にも挑戦する一方,放送作家協会初代理事長,国際演劇協会日本センター会長などを歴任。著書に『ドラマトゥルギー研究』『女優・田村秋子』など。
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内村直也 うちむら-なおや
1909-1989 昭和時代の劇作家。
明治42年8月15日生まれ。菅原卓(たかし)の弟。岸田国士(くにお)に師事し,昭和10年「秋水嶺」を発表。戦後,NHKラジオドラマ「えり子とともに」が,作詞した劇中歌「雪の降る街を」ともども大ヒットした。戯曲に「遠い凱歌(がいか)」「沖縄」,著作に「ドラマトゥルギイ研究」など。平成元年7月27日死去。79歳。東京出身。慶大卒。本名は菅原実。
【格言など】幸福というものは,いつも温(あたたか)いものなんだよ。そして希望に充ち充ちているんだ(「秋水嶺」)
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内村 直也 (うちむら なおや)
生年月日:1909年8月15日
昭和時代の劇作家。国際演劇協会日本センター会長
1989年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の内村直也の言及
【新劇】より
…そして1930年代になると,岸田,久保田を師とする若手劇作家群が劇作専門の雑誌《劇作》に拠って続々と登場し,この《劇作》派の戯曲が築地座で次々と初演された。川口一郎(1900‐71),田中千禾夫(ちかお)(1905‐95),小山祐士(ゆうし)(1906‐82),内村直也(1909‐89),森本薫ら,市民生活の哀歓を心理的せりふの躍動で描く劇作家たちの出現である。また同じころ(1931‐36),金杉惇郎・長岡輝子夫妻の主宰する〈テアトル・コメディ〉もフランス近代心理劇を上演し,飯沢匡(1909‐94)らの劇作家を生みだした。…
※「内村直也」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」