… 以後,林芙美子原作《泣虫小僧》(1938),阿部知二原作《冬の宿》(1938),伊藤永之介原作《鶯》(1938)など一連の〈文芸映画〉のなかで,暗い時代の日本の庶民像を描き出していった。愛国婦人会を創設した明治の女傑の半生を描いた伝記映画《奥村五百子》(1940),ハンセン病療養所で献身する若い女医の実話をリリカルなヒューマニズムで描いた《小島の春》(1940)などをへて,戦後も丹羽文雄原作《女の四季》(1950),森鷗外原作《雁》(1953),有島武郎原作《或る女》(1954),室生犀星原作《麦笛》(1955),織田作之助原作《夫婦善哉》(1955),谷崎潤一郎原作《猫と庄造と二人のをんな》(1956),川端康成原作《雪国》(1957),志賀直哉原作《暗夜行路》(1959),永井荷風原作《濹東綺譚》(1960)と〈文芸映画〉の系列がある。 女を多く描き,フェミニストともいわれたが,そのフェミニズムは,女の美しさよりも無知や貪欲さを凝視する目のきびしさと執念に特色があるといわれる。…
…極限状態に置かれた患者や救護活動に当たる職員は,愛生園の《愛生》,長島詩話会の《裸形(らぎよう)》,光明園の《楓》などの雑誌を舞台にすぐれた文学作品を発表した。それらの中では明石海人の歌集《白猫》(1939),宮島俊夫の小説集《癩夫婦》,玉木愛子の句集《この命ある限り》,愛生園職員の小川正子の手記《小島の春》(1938)などが有名である。【由比浜 省吾】。…
※「小島の春」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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