朝日日本歴史人物事典 「小川泰堂」の解説
小川泰堂
生年:文化11.3.21(1814.5.10)
幕末維新期の日蓮遺文校訂者。相模国藤沢(神奈川県藤沢市)に医師の子として生まれ,天保7(1836)年に江戸で医者を開業。同9年に浅草蔵前の古本屋で日蓮遺文と出合い,感銘して日蓮信奉者となった。以来,日蓮遺文の虜となり,徹底した遺文の校訂作業を開始。慶応1(1865)年10月に『高祖遺文録』定本を完成させ,明治9(1876)年に上梓。同書は明治期の日蓮研究の底本となり,田中智学や高山樗牛 にも影響を与えた。これ以外にも,絵入り仮名ふりの通俗的日蓮伝記『日蓮大士真実伝』5巻を慶応3(1867)年に著した。
(西山茂)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報