小村郷
おむらごう
「和名抄」高山寺本は「小村」と記し、「乎无良」と訓じて伴野の次に挙げているが、また流布本では、輔衆・伴野・麻績・福智の次に「小村」を記し、「乎無良」と訓じている。いずれにしても「をむら」と称する郷であったことに間違いないが、両書の記述の位置が全く違っていることは問題とすべきである。
正倉院御物の布袋に「□濃国伊那郡小村□□易布一段 天平十年十月」と記した墨書銘があり、小村郷の文献上の初見とされている。その地域は確たる根拠を欠くことと、その記述の位置に異同のあることから、異説がたえない。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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