小萱薬師堂(読み)こかややくしどう

日本歴史地名大系 「小萱薬師堂」の解説

小萱薬師堂
こかややくしどう

[現在地名]神岡町小萱

小萱の集落中央みやにあり、五月八日が縁日寝雑ねまぜ薬師・小萱薬師の名で知られる。建物はかつて野首のくびにあったのを移築したと伝えるだけで、詳しい創立沿革は不明。堂内に安置される薬師三尊十二神将懸仏に永仁七年(一二九九)の刻銘があるところから、創建は鎌倉時代にさかのぼるとする説もあったが、昭和四九年(一九七四)から同五〇年に実施された解体修理により、鎌倉時代建立の前身堂の部材を一部利用して、南北朝末期もしくは室町時代初期に再建されたことが判明した。昭和一七年以来、殿の瑞岸とののずいがん寺に所属する仏堂として管理される。薬師堂は桁行三間・梁間三間、一重入母屋造・柿葺で、簡素ななかにも屋根の美しい曲線をもち平面と立面の均整がとれている小堂で、各柱は円柱からなり柱頭には舟肘木をのせ、軒は疎垂木垂木は強く反り上がっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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