小蓋村(読み)おぶたむら

日本歴史地名大系 「小蓋村」の解説

小蓋村
おぶたむら

現長南町小生田おぶたに比定される。観応三年(一三五二)六月二四日の足利尊氏禁制写(覚園寺文書、以下同文書)に小蓋・八板やいた両村とみえ、鎌倉覚園かくおん寺領。翌文和二年(一三五三)一一月二一日の足利尊氏御判御教書写によれば、両村は覚園寺の造営料所に充てられていた。しかし南北朝動乱のなかで、上総国内の覚園寺領に対する在地武士の狼藉国衙の妨げが続発し、至徳三年(一三八六)六月一日これに対処するため同寺住持沙門思怕は朝廷(北朝)に造伊勢太神宮役夫工米・棟別・段銭など諸役の免除と甲乙人の妨げを停止すべき旨の官符を下さるべきことを記した奏状を提出し、朝廷は同月一五日付で上総国に官宣旨を下している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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