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人返し ひとがえし

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

人返し
ひとがえし

江戸時代中期以降,農民の都市流入,農村荒廃に対してとられた帰農策。商業資本の農村浸透,過酷な貢租負担などにより,農民の離村,都市集中が行われ,農業労働力の減退,貢租負担の低下をきたしたため,江戸幕府は,松平定信寛政の改革水野忠邦天保の改革などで帰農策をとったが,効果はほとんどなかった。

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デジタル大辞泉の解説

ひと‐がえし〔‐がへし〕【人返し】

領民の他領への移住を防ぐため、勝手に移住した者を領主間の交渉により召還したこと。
江戸時代、江戸・大坂・京都などの大都市に集中した人々を帰郷させたこと。特に、寛政の改革天保の改革では、江戸の人口過剰、農村の荒廃を打開する目的で行われた。旧里帰農

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百科事典マイペディアの解説

人返し【ひとがえし】

戦国期には在地領主戦国大名が欠落(かけおち)した武家奉公人・百姓・下人などを連れ戻したこと,また連れ戻し策をいった。江戸時代には都市に出てきた農民を帰農させることをいう。
→関連項目欠落

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世界大百科事典 第2版の解説

ひとがえし【人返し】

(1)日本の中世後期,在地領主層や戦国大名のとった欠落(かけおち)者の連れ戻し策。中世後期の社会を通じて広く現れた武家奉公人,百姓,下人などの欠落は,在地領主や土豪の支配や経営の基盤を不安定にしたばかりでなく,逃亡した領民の他領からの連れ戻し問題は,在地領主や土豪相互間の深刻な対立を引き起こす原因ともなった。そのため,室町期の在地領主層は互いに欠落者の拘束と相互返還,つまり人返しを主要な課題として個別に協定を交わしたり,より広く組織的に一揆の契約を結んだりした。

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大辞林 第三版の解説

ひとがえし【人返し】

領民の他領への逃亡を防ぐため、勝手に他領に移住した者を領主間の交渉で召し返したこと。
江戸時代、江戸・京都・大坂などの大都市に集中した人々を帰郷させたこと。1843年の人返しの法が有名。旧里帰農。

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世界大百科事典内の人返しの言及

【中世社会】より

…また下人はしばしば,前述した仏神領などや,戦国期に〈無縁所〉〈公界寺〉などといわれた寺院をはじめ,市・町などのアジールに逃亡し,主を変えることもあった。主は曳文に,いかなる場においてもその身を捕らえうるという担保文言(もんごん)を書かせ,南北朝期になると,領主たちは相互に契約を結び,逃亡した下人の相互返還(人返し)を行うなど,下人の掌握につとめている。 このように下人を集積したのは,荘園・公領の支配者ではなく,年貢・公事の徴収を請け負い,検断権をもつ在地の領主であり,西国でも安芸の田所氏が100人以上の下人をもっていたような例はあるが,相対的に東国あるいは南九州の領主のほうが,下人の所有においては卓越していたと推定される。…

【潰百姓】より

…とくに中期以降,潰百姓が続出して手余地が増加し,貢租収入の減少をもたらし,他方,彼らが離村して博徒,無宿(むしゆく)者,都市細民などに化し,これが治安上の問題ともなり,政治問題化した。その対策が幕政改革の課題の一つとなり,人返し(ひとがえし)の令が出されたが実効を収めえなかった。【葉山 禎作】。…

【走者】より

…そのため村落の内部で〈はしり候者見かくし候はば,となり三間として御年貢納所仕るべし〉(《今堀日吉神社文書》)と,走者を隣人の連帯責任として規制した村掟もみられる。とくに領主間ないし主人間で逃走者の帰属をめぐる紛争が絶えなかったため,鎌倉幕府法から一揆の法,戦国家法にいたるまで,数多くのいわゆる人返し法(人返し)が作られた。それは走者自体の禁令というよりは,主として逃走者の連戻しのための手続法であった。…

【陸奥国】より

…しかし,藩のたび重なる検地による知行割政策によって給人の農民支配はしだいに形骸化し,寛永期(1624‐44)ごろからおそくとも明暦期(1655‐58)ごろに実施された陸奥諸藩の総検地によって,藩による農民の直接支配体制は確立した。この政策に抵抗した欠落(かけおち)・逃散(ちようさん)農民に還住令,人返し令を出した。1611‐12年ころ仙台藩は,米沢藩および相馬藩とそれぞれ百姓・下人の人返しを協定し,1621年(元和7)には盛岡藩と協定を結んでいる。…

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