小豆島歌舞伎(読み)しょうどしまかぶき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小豆島歌舞伎」の意味・わかりやすい解説

小豆島歌舞伎
しょうどしまかぶき

香川県北東部,小豆島土庄町肥土山(ひとやま)と小豆島町中山に伝わる農村歌舞伎(→歌舞伎)。肥土山の舞台は離宮八幡宮にあり,毎年 5月に六つの組がもちまわりで上演している。中山の舞台は春日神社にあり,毎年 10月第2日曜日の例祭で農村歌舞伎保存会が演じている。始まった年代は不明だが,中山には歌舞伎の根本台本)約 350冊,衣裳約 720点,かつら約 60点などの資料が残されており,その中には寛政1(1789)年と書かれた太鼓や,文政1(1818)年の台本なども含まれている。舞台は回り舞台などもある本格的なもので,太功記,先代萩忠臣蔵,鏡山などよく知られた演目から毎年選ばれたものが一日に 4~5幕演じられる。肥土山と中山の舞台は国の重要有形民俗文化財に指定されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android