朝日日本歴史人物事典 「小野東人」の解説
小野東人
生年:生年不詳
奈良時代の官人。天平10(738)年,左兵衛率となったが,13年には藤原広嗣の乱に連座して,平城京内の獄舎にとらわれ,伊豆国賀茂郡の三島(東京都大島町か)に配流された。18年,許されて従五位下に叙位,翌年には治部少輔,天平勝宝9(757)年には従五位上となった。しかし再び橘奈良麻呂の乱に参加したらしく,中衛舎人上道斐太都に密告され,藤原仲麻呂配下の兵に捕らえられた。左衛士府に禁固ののち,拷問をうけ杖下に死んだ。そのときの官職は備前国守だったという。2度も反乱事件に巻き込まれ罰せられた不遇の人物。
(鬼頭清明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報