朝日日本歴史人物事典 「小野毛人」の解説
小野毛人
生年:生年不詳
天武天皇に仕えた官人。小野妹子の子。毛野の父。墓誌が慶長18(1613)年現在の京都市左京区上高野付近で発見されている。同地は『和名抄』にみえる山城国愛宕郡小野郷に当たり,小野氏の根拠地であった。その後元禄10(1697)年に再び埋納されたが,盗難にあうなどし,大正2(1913)年取り出されて今日に至っている。妹子の子だが正史にはあまり記載がなく,この墓誌によって天武天皇の朝廷に仕え,太政官兼刑部卿に任命されたことが知られる。この「太政官」とは行政の最高機関太政官を構成する官職と考えられるが,小野氏系図には大徳冠中納言とあったことからみて,大納言か中納言の職にあったものらしい。
(鬼頭清明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報