精選版 日本国語大辞典 「尨」の意味・読み・例文・類語 むく【尨】 〘 名詞 〙① 毛などのふさふさと長く生えていること。また、その毛。むくげ。[初出の実例]「毛のおひたるを、むくといへる、如何」(出典:名語記(1275)四)② 「むくいぬ(尨犬)」の略。[初出の実例]「隣りの尨(ムク)は気狂ひのごとく くらやみの空に吠えかかる」(出典:道程(1914)〈高村光太郎〉夜半) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「尨」の読み・字形・画数・意味 尨7画 [字音] ボウ(バウ)[字訓] むくいぬ・みだれる・おおきい[説文解字] [甲骨文] [字形] 象形毛の多い犬の形。〔説文〕十上に「犬の毛多きなり」とし、「犬彡(さん)に從ふ」と会意とする。彡は形・・影などに加えるものと異なって、穆(禾(か)の実)と同じく、本来その属性としてあるものを示すのであるから、象形としてよい。むく犬の意で、〔詩、召南、野有死麕(やゆうしきん)〕に「尨をして吠えしむること無(なか)れ」とみえる。〔周礼、地官、牧人〕「尨を用ひて可なり」とは、雑色不純のものをも、犠牲として用いることをいう。尨雑・尨乱の意より、尨大の意にも用いる。[訓義]1. むくいぬ、毛の多い犬。2. まじる、まじわる、色がまじる。3. みだれる、多くてみだれる。4. 厖(ぼう)・と通じ、大きい、多い。[古辞書の訓]〔字鏡集〕尨 ムクイヌ・イヌ[熟語]尨奇▶・尨▶・尨狗▶・尨雑▶・尨▶・尨然▶・尨眉▶・尨服▶・尨尨▶・尨民▶・尨乱▶[下接語]吠尨・夜尨・邑尨・老尨 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報