朝日日本歴史人物事典 「尭然入道親王」の解説
尭然入道親王
生年:慶長7.10.3(1602.11.16)
江戸前期の天台宗の僧で,妙法院第33世。後陽成天皇の第6子。母は持明院基孝の娘孝子。幼名六宮。諱は常嘉。慶長8(1603)年に常胤法親王の資として妙法院に入室。同18年親王宣下。元和2(1616)年12月に得度し,同9年二品に叙せられ,天海から灌頂を受けた。江戸で東照宮の十三回忌,十七回忌,二十一回忌法要の導師を勤め,宮中では五大尊行法や北斗尊星王法を修した。寛永17(1640)年,正保2(1645)年,承応2(1653)年と3度天台座主を勤めた。能書として知られ,江戸の護持院,山王権現の額を染筆。幕府御用絵師の狩野探幽とも親しく,花鳥・山水画を残し,茶の湯,和歌,香にも秀でた文化人であった。<参考文献>『諸門跡譜』『天台座主記』『妙法院在住親王伝』,洞院満季選『本朝皇胤紹運録』
(岡佳子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報