日本歴史地名大系 「尾野尻村」の解説 尾野尻村おのじりむら 熊本県:上益城郡矢部町尾野尻村[現在地名]矢部町野尻(のじり)北は小野尻(このじり)村、南は下河井野(しもがわいの)村に接し、村の北を日向往還が通る。西を流れる笹原(ささわら)川には矢部四十八滝の一つ聖(ひじり)が滝がある。かつては滝の真ん中に突出した岩に瀑流が当たり、聖僧が灌水の行をしたことから滝名がついたと伝える。応仁(一四六七―六九)頃とされる男成宮社頭注文(男成文書)に「大野尻」とあり、男成宮の祭礼に小麦六升を供しているのが当村のことと思われる。文明二年(一四七〇)矢部男成(おとこなり)郷六ヵ村のうち、軍陣夫を徴せられる一所として「おのしりの村」とみえる(同年二月一〇日「丹田水惟世奉書」同文書)。 尾野尻村おのじりむら 熊本県:上益城郡清和村尾野尻村[現在地名]清和村尾野尻東は鎌野(かまの)村、北は栃原(とちはら)村に接する。文明四年(一四七二)八月二八日の阿蘇山本堂造営棟別料足日記写(阿蘇家文書)に「おの四り」とあり、家数三〇が記される。また「いゑ十 けすのき」とあるのは近世の小村下須(げす)とも考えられる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by