屈触性(読み)クッショクセイ

関連語 名詞

精選版 日本国語大辞典 「屈触性」の意味・読み・例文・類語

くっしょく‐せい【屈触性】

  1. 〘 名詞 〙 植物体が堅いものに接触することによって示す屈性。トケイソウなどの巻きひげほか、ウツボカズラの葉柄などに正の屈触性がみられる。向触性。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「屈触性」の意味・わかりやすい解説

屈触性
くっしょくせい
thigmotropism

接触屈性ともいう。植物の巻きひげなどが,物に触れることによって屈曲する現象。ただし接触があると必ずその方向に曲るというのではなく,屈曲方向が決っているようにみえる場合もあり,また巻きひげの先端オーキシンで無方向的に処理してもひげが巻くという実験などもあって,屈光性の場合のように左右両側の間でオーキシンの不等分布が生じるという説明は,必ずしもあてはまらない。このため,接触の刺激はオーキシンの不等分布を引起すのではなく,オーキシンに対する接触側と他の側とに感度の違いを引起すものと考えられ,屈光性などとは違うメカニズムが働いているものと思われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の屈触性の言及

【巻きひげ(巻鬚)】より

…また,巻きひげの巻き方が左巻きか右巻きかは種によって決まっている場合とそうでないこととがある。巻きひげが他物に付着するのは,先端付近に接触すべき他物を感知し,その方に伸長していく性質によることが知られており,その性質を屈触性thigmotropismというが,屈触の機作についてはまだ十分説明できるほどはわかっていない。【岩槻 邦男】。…

※「屈触性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む