属人主義(読み)ゾクジンシュギ

デジタル大辞泉 「属人主義」の意味・読み・例文・類語

ぞくじん‐しゅぎ【属人主義】

人の居る場所を問わず、原則として本国法適用を受けるべきであるとする主義。⇔属地主義

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精選版 日本国語大辞典 「属人主義」の意味・読み・例文・類語

ぞくじん‐しゅぎ【属人主義】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 法令、特に刑法上、犯人自国民であるかぎり犯罪地のいかんを問わず自国の刑法を適用すべきであるとする主義。⇔属地主義。〔新しき用語の泉(1921)〕
  3. ぞくじんほうしゅぎ(属人法主義)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「属人主義」の意味・わかりやすい解説

属人主義
ぞくじんしゅぎ

法は人に追随して自国領土外でも通用すべきであるとする主義。属地主義に対する。 (1) 国際私法上は,法の属人性を強調して,原則として本国法を適用する主義を意味する。 19世紀にイタリアで唱えられ,一時ヨーロッパ大陸で有力な支持を得たが,今日からみれば歴史上の一主義にすぎない。なお,国際私法上特定の事項について属人法を適用すべき原則を属人主義ということもある。 (2) 刑法において,土地に関する適用範囲はその国家領域に限定される (属地主義) のが原則であるが,例外的に外国に在留する自国民の自国の刑法違反行為にも自国の刑法を適用することがあり,これを属人主義と呼ぶ (たとえば,日本の刑法3,4) 。

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百科事典マイペディア 「属人主義」の意味・わかりやすい解説

属人主義【ぞくじんしゅぎ】

犯人が自国民である限り犯罪地の内外を問わず自国の刑法を適用すべきであるとする原則。諸国刑法も日本の刑法も属地主義を補充してこの主義を採用している(刑法3条)。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「属人主義」の解説

属人主義(ぞくじんしゅぎ)

属人法(ぞくじんほう)主義

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「属人主義」の意味・わかりやすい解説

属人主義
ぞくじんしゅぎ

属地主義

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世界大百科事典(旧版)内の属人主義の言及

【刑法】より

…その一は,犯人の国籍のいかんを問わず,自国の領域内で生じたいっさいの犯罪に対して自国の刑法を適用すべきだとする属地(法)主義。その二は,犯人が自国民であるかぎり犯罪地のいかんを問わず(外国であっても)自国の刑法を適用すべきであるとする属人(法)主義。その三は,自国または自国民の利益を害する犯罪に対しては,犯人の国籍および犯罪地のいかんを問わず,自国の刑法を適用すべきだとする保護主義。…

【国際刑法】より

…将来国際刑事裁判所が創設されれば,そこで適用される実体法・手続法は国際刑事法の基本的な内容となる。 刑法の場所的適用範囲に関しては,属地主義,属人主義,保護主義,世界主義の四つの原理がある。(1)属地主義は,犯罪が自国の領域内(国内)で行われた場合には,なんぴとを問わず自国の刑法を適用する,という原理で,国家の領域主権に基づく。…

※「属人主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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