山中漆器(読み)やまなかしっき

事典 日本の地域ブランド・名産品 「山中漆器」の解説

山中漆器[漆工]
やまなかしっき

北陸甲信越地方、石川県の地域ブランド。
加賀市で製作されている。16世紀末の天正年間(1573年〜1592年)に越前から移住してきた木地師がおこなったろくろ挽きが始まり。江戸時代中期には、椀・盆などの日用品に加え、温泉客相手の土産物として売られ発展した。19世紀前半に塗りや蒔絵技術が伝わり、現在の山中高蒔絵の基礎が築かれた。そのろくろ技術は高度であり、木地の肌に極細の筋を入れる加飾挽きに優れる。1975(昭和50)年5月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「山中漆器」の解説

山中漆器

石川県加賀市の山中温泉中心に生産される漆器。国指定伝統的工芸品。天正年間に付近に木地師の集団が移住してきたことが製造起源当初白木の挽き物だったが、江戸時代中期に栗色塗が始まり、やがて全国から塗師や蒔絵師を招いて技術を取り入れた。木地挽物の質の高さで知られ、技術は石川県無形文化財に指定されている。

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世界大百科事典(旧版)内の山中漆器の言及

【山中[町]】より

…1931年の大火後近代的設備をもつ旅館街となった。もと湯治客のみやげとしてつくられた山中漆器は,ケヤキの素地をろくろで細工し漆を塗ったもので,現在は輸出もしている。また《山中節》と九谷焼が生まれた地でもある。…

※「山中漆器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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