20世紀日本人名事典 「山室 軍平」の解説
山室 軍平
ヤマムロ グンペイ
明治〜昭和期の社会事業家,キリスト教伝道者 救世軍中将;日本救世軍創立者。
- 生年
- 明治5年8月20日(1872年)
- 没年
- 昭和15(1940)年3月13日
- 出生地
- 岡山県哲多郡則安村(現・哲多町)
- 学歴〔年〕
- 同志社神学校〔明治27年〕中退
- 主な受賞名〔年〕
- 救世軍創立者賞〔昭和12年〕
- 経歴
- 貧農の子に生まれ、9歳で叔父の養子に出される。15歳で家出して上京、活版工をするうちキリスト教に入信し、苦学して同志社に学んだあと伝道に入る。明治28年英国救世軍の来日を機に従軍し、日本最初の士官として日本救世軍の創設と発展に尽力した。32年に「平民之福音」を刊行、ベストセラーとなる。45年救世軍病院を開設。大正15年日本人初の救世軍司令官に就任、昭和5年に中将となる。この間、明治33年の廃娼運動に参加、吉原や洲崎の遊廓に進撃して娼妓の解放を社会運動に盛り上げる一方、職業紹介、結核療養、婦人・児童保護など社会事業に貢献した。42年の“慈善鍋”は大きな反響を呼び、やがて救世軍の代名詞ともなったほど。関東大震災では活発な救援活動を展開した。著書に「公唱全廃論」「社会廓清論」「民衆の聖書」、「山室軍平選集」(全10巻・別巻1)などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報