ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山本達郎」の意味・わかりやすい解説
山本達郎
やまもとたつろう
[没]2001.1.24.
東洋史家。松村姓に生れるが,山本達雄の養子となり改姓。 1933年東京大学東洋史学科卒業。東方文化研究所研究員を経て,42年東京大学助教授,49~71年同教授。退官後 72年国際基督教大学教授。 75年国際哲学人文科学協議会会長。『鄭和の征西』で国際的な評価を得て以降,ベトナム史の空白を埋めるべく研究を深め,1952年『安南史研究』で学士院賞を受賞。パリやサイゴンにおもむいて資料の収集,調査を行い,10世紀のベトナムが中国王朝の支配から脱却し,元・明王朝の征服に抵抗していく過程を明らかにした。ベトナムの対中国交渉史,南海交通史,唐代田制,戸制などの研究に加えてインド・イスラム文化諸王朝の考古学的調査も行っている。 67年学士院会員。 86年文化功労者。 98年文化勲章を受章。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報