山王海ダム

デジタル大辞泉プラス 「山王海ダム」の解説

山王海ダム

岩手県紫波郡紫波町西部、北上川水系滝名川に建設されたダム。同地域では江戸時代から水争いが絶えず、明治時代の記録的干ばつを経て、大正時代に国営事業としてのダム建設の陳情が行われた。1952年、堤高37.4メートル、堤頂長150メートルの当時としては東洋最大級の灌漑用アースダムが竣工長年の水争いに終止符が打たれる。その後、嵩上げのため、旧ダムを取り込む形で堤高61.5メートル、堤頂長241.6メートルのロックフィルダムを新たに建設、2001年に竣工。新ダムは、隣接する花巻市石鳥谷町の葛丸ダムとの間に導水・取水用のトンネルを有し、相互に水を補給する珍しい“親子ダム”である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山王海ダム」の意味・わかりやすい解説

山王海ダム
さんのうかいダム

岩手県中西部,東根山南麓を東流する北上川支流滝名川上流にある農業専用ダム。土堰堤ダムで,堰堤の高さ 37.4m,長さ 150m,有効貯水量 953万m3。1952年完成。紫波平野(しわへいや),稗貫平野(ひえぬきへいや)の水田を灌漑する。洪積台地,扇状地上の集落間の水争いは古くから知られてきたが,ダムの完成で解決された。一部では洪積台地の開田も行なわれ,畑地灌漑にも利用される。

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