朝日日本歴史人物事典 「山科宗甫」の解説
山科宗甫
生年:生年不詳
江戸初期の茶人。父は千利休の女婿・千少庵。宗旦の弟として知られる。通称四郎三郎,山花亭と号した。『江岑夏書』によると,山科の鯛屋小六の養子となり,青貝細工を業とした。姓は渡辺。貝屋と称したとする伝えもある。侘び茶人の面影を伝える茶杓,在判の茶器,消息文が伝存しているが,その数は稀少で珍重される。異説に慶長11(1606)年10月29日,父の少庵に先立って死去した,ともいう。宗甫の伝はなお勘考の余地が残される。
(戸田勝久)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報