日本歴史地名大系 「山路王子神社」の解説 山路王子神社やまじおうじじんじや 和歌山県:海草郡下津町市ノ坪村山路王子神社[現在地名]下津町市坪以羅谷(いらだに)にある。熊野九十九王子の一つで、一壺(いちのつぼ)王子跡として県指定史跡。近世には市(いち)ノ坪(つぼ)・沓掛(くつかけ)・大窪(おおくぼ)三村(現下津町)の氏神とされた。祭神は天照(あまてらす)大神・応神天皇。旧村社。建仁元年(一二〇一)の「後鳥羽院熊野御幸記」一〇月九日条に「一壺(いちのつぼ)王子」とあり、塔下(とうげ)王子・橘本(たちばなもと)王子・所坂(ところざか)王子(現下津町)の次にここに詣でている。承元四年(一二一〇)の四辻殿御記(民経記)にも「一坪」王子の名がみえる。「続風土記」には「昔は別当寺ありて瑠璃光山安養寺といゝしに今廃して其本尊庁にあり」とある。第二次世界大戦前まであった銅鐘の銘には「山路王子権現宮、鑪匠統領南紀広瀬住細工人森豊後藤原清英、寛延四辛未七月二十五日」とあった。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by