岷山山脈(読み)みんざんさんみゃく(英語表記)Mín shān shān mài

改訂新版 世界大百科事典 「岷山山脈」の意味・わかりやすい解説

岷山山脈 (みんざんさんみゃく)
Mín shān shān mài

中国,四川省北部,甘粛との省境にあり,北西から南東にのびる山脈。〈びんざん〉とも読む。西は黄河をはさんでアニエマチェン(アムネマチン)山脈に連なり,東は嘉陵江をはさんで米倉山と接する。長江揚子江水系岷江と嘉陵江の発源地。標高4000m前後の高原状の山地牧畜が発達,南西山麓には草原湿地の多い広大な松潘草地がひろがる。1935年,中国紅軍は,長征の途上湿地帯を通り北上し,岷山山脈を越えている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岷山山脈」の意味・わかりやすい解説

岷山山脈
びんざんさんみゃく / ミンシャン

中国、四川(しせん)省と甘粛(かんしゅく)省の境界にある山脈。西は黄河を隔ててアムネマチン山脈に、東は嘉陵江(かりょうこう)を隔てて大巴(だいは)山脈に続く。四川盆地の北を限り北西から南東に連なるものと、南下するものの二派に分かれる。平均標高4000メートル程度で、主峰は雪宝頂(5588メートル)。年降水量500ミリの半乾燥気候に属する。揚子(ようす)江と黄河の分水嶺(ぶんすいれい)で、北東斜面から嘉陵江の支流白竜江が、南西斜面から岷江が源を発する。

[酒井敏明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の岷山山脈の言及

【岷山山脈】より

…標高4000m前後の高原状の山地で牧畜が発達,南西山麓には草原や湿地の多い広大な松潘草地がひろがる。1935年,中国紅軍は,長征の途上湿地帯を通り北上し,岷山山脈を越えている。【駒井 正一】。…

※「岷山山脈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android