…西鶴の小説《好色五人女》や歌祭文を通して一般に流布していたこの事件が初めて劇化されたのは,1706年(宝永3)1月大坂嵐三右衛門座の歌舞伎狂言《お七歌祭文》である。そのおり,とくに初世嵐喜世三郎のお七が大当りで,以後彼の定紋がお七の紋に用いられるようになったという。その後,人形浄瑠璃では《八百屋お七》《潤色江戸紫》《伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)》等が作られ,歌舞伎では《其往昔恋江戸染(そのむかしこいのえどぞめ)》で現行のお七劇の定型が確立した。…
…浄瑠璃,歌舞伎のヒロインとして有名な江戸時代の女性。江戸本郷追分の八百屋太郎兵衛の娘という。1682年(天和2)12月28日,駒込大円寺から出火,東は下谷,浅草,本所を焼き,南は本郷,神田,日本橋に及び,大名屋敷75,旗本屋敷166,寺社95を焼失,焼死者3500名という大火があった。その際,家を焼かれ,駒込正仙寺(一説に円乗寺)に避難したお七は寺小姓の生田庄之助(一説に左兵衛)と恋仲となった。家に戻ったのちも庄之助恋しさのあまり,火事があれば会えると思い込み,翌年3月2日夜放火したがすぐ消し止められ,捕らえられて引廻しのうえ,3月29日鈴ヶ森の刑場で火刑に処せられたというのが実説である。…
※「嵐喜世三郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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