巣守(読み)スモリ

デジタル大辞泉 「巣守」の意味・読み・例文・類語

す‐もり【巣守/×毈】

孵化ふかしないで巣の中に残っている卵。すもりご。
「―になりはじむるかりのこ、御覧ぜよとて奉れば」〈宇津保藤原の君〉
あとに取り残されること。また、その人。るすばん。
「ただ一人島の―となり果てて」〈盛衰記・一〇〉
夫の不在の間、妻が留守を守っていること。
「二年といふもの―にして」〈浄・天の網島

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精選版 日本国語大辞典 「巣守」の意味・読み・例文・類語

す‐もり【巣守】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 孵化しないで巣の中に残っている卵。すもりご。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
  3. あとに取り残されること。一人そこに残って番をすること。また、その人。留守番番人。すもりご。
    1. [初出の実例]「なき人のすもりにだにもなるべきをいまはとかへる今日の悲しさ」(出典:大和物語(947‐957頃)九四)
  4. 女が空閨を守っていること。
    1. [初出の実例]「二年といふ物すもりにして、〈略〉むつまじいめをとらしい寝物語もせう物と」(出典:浄瑠璃・心中天の網島(1720)中)

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