左近の桜・右近の橘(読み)さこんのさくらうこんのたちばな

世界大百科事典 第2版「左近の桜・右近の橘」の解説

さこんのさくらうこんのたちばな【左近の桜・右近の橘】

平安宮内裏の紫宸殿(南殿ともいう)前庭に植えられている桜とタチバナ。左近・右近左近衛府右近衛府略称。左近は紫宸殿の東方に,右近は西方に陣をしくが,ちょうどその陣頭に植えられているのでこの名がある。平安時代末期にできた《古事談》に,南殿の桜はもと梅であって,794年(延暦13)の平安遷都のとき植えられたが,960年(天徳4)の内裏焼亡の際に焼失し,内裏新造のとき,梅に代えて重明親王の家の桜を植えたものであり,タチバナは平安遷都以前,そこに住んでいた橘大夫という人の家に生えていたものである,という話が見える。

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世界大百科事典内の左近の桜・右近の橘の言及

【紫宸殿】より

…額間(がくのま)の南の簀の子に接して正階があり,階の東に桜,西に橘が植えられている。儀式のさいに桜の近くに左近衛が,橘の近くに右近衛が陣をしいたので,左近の桜・右近の橘と呼ばれた。紫宸殿の北の宜陽殿とは二つの渡廊で接しているが,その南側は吹抜けで軒廊(こんろう)と呼ばれ,御占が行われる場所である(軒廊御卜)。…

※「左近の桜・右近の橘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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