平安遷都(読み)へいあんせんと

百科事典マイペディア 「平安遷都」の意味・わかりやすい解説

平安遷都【へいあんせんと】

奈良末期の混乱した政治状況下で,桓武天皇遷都を計画,はじめ長岡京を都としたが,794年平安京へ移った。遷都の理由としては,政治と仏教分断人心刷新などが考えられる。遷都にあたって山背国は山城国と改められた。造都工事は大規模な蝦夷(えぞ)征討と並行して継続したため民力は疲弊天皇晩年には事業が行きづまり,805年,藤原緒嗣(おつぐ)の建議で,造都・征夷の二大事業は中止された。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「平安遷都」の解説

平安遷都
へいあんせんと

794年(延暦13)10月に実施された長岡京から平安京への遷都。桓武天皇は,793年に山背国葛野(かどの)郡宇太村の地を視察させ,9月には新京の宅地を官人に班給し,翌年7月には東西市を移すなど造営を急ぎ,10月28日に遷都の詔がだされた。長岡京がわずか10年余りで廃棄された理由は,たび重なる洪水にみまわれるなど都市機能が十分でなかったことや,藤原種継(たねつぐ)暗殺事件に連坐し廃された早良(さわら)親王怨霊を桓武天皇が強く畏怖したことが指摘されている。

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