左近の桜(読み)サコンノサクラ

デジタル大辞泉 「左近の桜」の意味・読み・例文・類語

さこん‐の‐さくら【左近の桜】

紫宸殿ししんでん南階段下の東方に植えられた桜。朝儀の際、左近衛府武官がこの南側に詰めたことからいう。南殿なでんの桜。御階みはしの桜。左近。→右近のたちばな

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精選版 日本国語大辞典 「左近の桜」の意味・読み・例文・類語

さこん【左近】 の 桜(さくら)

  1. 紫宸殿の南階下の東側に植えた桜で、平安時代、左近衛府の官人がこの桜から南に陣列したところからいう。左近。⇔右近の橘
    1. [初出の実例]「くろき馬のふとくたくましきが、八寸あまりなるに、左近の桜の木のもとに、東がしらに引っ立てたり」(出典:平治物語(1220頃か)上)
  2. ( を模して ) 雛祭り雛壇に並べる飾り物
    1. [初出の実例]「これがお雛様、これが左近(サコン)の桜(サクラ)右近の橘と」(出典:人でなしの恋(1927)〈江戸川乱歩〉七)

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