差別価格(読み)さべつかかく(英語表記)differential price

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「差別価格」の意味・わかりやすい解説

差別価格
さべつかかく
differential price

買手のおかれている購入時点での特定の状況に適応し,同一の商品に対する同一の買手あるいは異なる買手に対して,費用の差に対応しない異なった価格を課すること。実際に用いられている差別価格としては,買手の購入数量に基づく価格差別 (→数量割引 ) ,買手の立地の差異によって設ける地理的差別 (均一納入価格制,基準点価格制,積出し価格制など) ,時間的差別 (遠距離電話料金の昼夜の差別,ホテルの季節別料金など) ,製品用途差別 (買手の性格あるいは買手がその製品をどのような用途に用いるかによる差別で,映画館,理髪店などの成人,子供の料金の区別電気ガスの家庭用,営業用の別料金など) などがあげられる。売手立場からみると差別価格の設定は市場細分化,市場の拡大,生産費の削減競争への適応のためなどの目的によるものであるが,合法性をめぐっての問題も多く,日本の独占禁止法 19条でも差別価格の一部を不公正な取引方法であるとして禁止している (参照条文,独占禁止法2条9項) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android