市村竹之丞(読み)いちむらたけのじょう

改訂新版 世界大百科事典 「市村竹之丞」の意味・わかりやすい解説

市村竹之丞 (いちむらたけのじょう)

歌舞伎俳優,市村座座元。初世(1654?-1718・承応3?-享保3)は3代市村宇左衛門の養子寛文延宝(1661-81)頃が活躍期で,《市村座由緒書》(享保10年書上)によれば,1664年(寛文4)に玉川主膳と相座元で三番続きの狂言を上演したというが,65,66年頃大坂へ行き,その後江戸に戻って67年頃座元になったものと推定される。役者としてはせりふ術にすぐれ,拍子事が得意であったが濡れ事は不得手であった。77,78年頃に出家,本所自性院に入る。現存の碑には〈当山開山大阿闍梨法印安住誠阿大和尚〉とある。以降,市村座の座元または俳優として5世まである。6世は,5世中村富十郎の前名。
市村羽左衛門
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「市村竹之丞」の解説

市村竹之丞(初代) いちむら-たけのじょう

1654-1718 江戸時代前期の歌舞伎役者,座元。
承応(じょうおう)3年生まれ。3代市村宇左衛門の甥(おい)。寛文3年ごろ宇左衛門の養子となり,竹之丞を名のる。若衆方,のち立役(たちやく)。玉川主膳との相座元をへて,7年ごろ江戸市村座の座元初代となる。市村宇左衛門(4代)。延宝7年出家,本所自性院にはいった。享保(きょうほう)3年10月10日死去。65歳。

市村竹之丞(5代) いちむら-たけのじょう

市村羽左衛門(いちむら-うざえもん)(12代)

市村竹之丞(4代) いちむら-たけのじょう

市村羽左衛門(いちむら-うざえもん)(8代)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の市村竹之丞の言及

【市村羽左衛門】より

…(3)3代・名義初世(?‐1686(貞享3)) 市村宇左衛門と称した。1667年(寛文7)頃村山座の興行権を譲りうけ,養子市村竹之丞を座元に立てて興行を行った。(4)4代(1654?‐1718∥承応3?‐享保3) 初世市村竹之丞のこと。…

※「市村竹之丞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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