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市村羽左衛門 いちむら うざえもん

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美術人名辞典の解説

市村羽左衛門

歌舞伎俳優。東京生。本名市村録太郎。俳名は可江。屋号は橘屋。前名は六代目市村家橘。十四代目の養子。さわやかな口跡やすぐれた風姿で人気を博し、近代演劇界を支えた。日本俳優協会会長、日本舞踊吾妻流初代宗家。昭和20年(1945)歿、72才。

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デジタル大辞泉の解説

いちむら‐うざえもん〔‐ウザヱモン〕【市村羽左衛門】

歌舞伎俳優。市村座の座元。俳優を兼ねたのは4世から。
(初世)[1605~1652]本名、村山又三郎。和泉(いずみ)国堺の人。江戸に村山座を創設。
(3世)[1635~1686]初めて市村宇左衛門と名のり村山座を譲り受けて、市村座と改めた。
(8世)[1698~1762]宇左衛門を羽左衛門と改める。所作事(しょさごと)の名人。屋号、菊屋。
(13世)[1844~1903]兼ねていた座元を辞して俳優に専念。のち、5世尾上菊五郎となった。
(14世)[1847~1893]13世の弟。のち坂東家橘(かきつ)と改名。
(15世)[1874~1945]大正・昭和を代表する二枚目役者。生世話(きぜわ)物の名人。屋号、橘屋。

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百科事典マイペディアの解説

市村羽左衛門【いちむらうざえもん】

歌舞伎俳優。江戸市村座の前身である村山座の開祖村山又三郎を初世として,17世まで続く。屋号は橘(たちばな)屋。7世までは宇左衛門と書いた。14世までは市村座の座元であったが俳優を兼ねることも多く,8世,9世,12世などが知られた。
→関連項目橘屋

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世界大百科事典 第2版の解説

いちむらうざえもん【市村羽左衛門】

歌舞伎俳優,市村座座元。羽左衛門の代数は,市村家が興行権を得る以前の村山座座元の2代と羽左衛門の名をつがなかった座元をも加える数え方が一般に行われ,実際に羽左衛門を名のった名義代数とは相違がある。(1)初代 村山座の創始者初世村山又三郎。(2)2代 村山又三郎の婿養子村田九郎右衛門。(3)3代・名義初世(?‐1686(貞享3)) 市村宇左衛門と称した。1667年(寛文7)頃村山座の興行権を譲りうけ,養子市村竹之丞を座元に立てて興行を行った。

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大辞林 第三版の解説

いちむらうざえもん【市村羽左衛門】

江戸市村座座元。歌舞伎俳優。宇(羽)左衛門は三世からの称。
(初世)(1605~1652) 本名村山又三郎。堺の人。江戸に村山座(のちの市村座)を創設した。
(三世)(?~1686) 市村宇左衛門と名乗る。村山座を市村座と改称。のち一四世まで代々座元と俳優を兼ねた。
(八世)(1698~1762) 屋号菊屋。宇左衛門の「宇」の字を「羽」と改めた。
(九世)(1725~1785) 興行権を桐座に譲る。役者としては所作事に優れた。
(一二世)(1812~1851) 市村座(一〇世が再開)座元を継ぎ櫓を再開。所作事・和事・実事をよくした。
(一三世)尾上おのえ菊五郎(五世)の前名。
(一五世)(1874~1945) 屋号橘たちばな屋。大正から昭和期にかけて活躍。容姿と口跡にすぐれ、二枚目役者として名声を博した。
(一七世)(1916~2001) 屋号橘屋。六世坂東彦三郎の子。重厚・堅実な芸風で、荒事・実事・捌き役・老け役・敵役と芸域が広く、故実にも通じた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

市村羽左衛門
いちむらうざえもん

歌舞伎(かぶき)俳優、座元。古くは宇左衛門の字を使う。江戸三座の一つ市村座の座元の名跡(みょうせき)で、市村座の前身村山座の座元村山又三郎(またさぶろう)と村山九郎右衛門(くろうえもん)も家系に数え、それぞれ初世、2世とするほか、市村座代々の座元も家系に数え、現在17世まである。ここでは俳優として活躍した代々をあげる。[古井戸秀夫]

3世

(1635―86)市村宇左衛門の初世。俳優から座元となる。続き狂言や引幕(ひきまく)、大道具、切り落しなどをくふうし、「大芝居」の元祖と称する市村座の基礎をつくる。[古井戸秀夫]

4世

(1654―1718)3世の甥(おい)で養子となり、初世市村竹之丞(たけのじょう)の名前で座元を継ぐ。俳優も勤め、西行(さいぎょう)を当り役としたが、のち発心(ほっしん)して剃髪(ていはつ)し、通称竹之丞寺とよばれる本所・自性院に入る。[古井戸秀夫]

8世

(1698―1762)市村座の茶屋菊屋善兵衛の三男。初めて羽左衛門の字を使い、俳優としても活躍し、『椀久(わんきゅう)』を家の芸とする。[古井戸秀夫]

9世

(1725―85)8世の子。1762年(宝暦12)座元を継ぐとともに襲名。宝暦(ほうれき)期(1751~64)の名優。豊後節浄瑠璃所作事(ぶんごぶしじょうるりしょさごと)の先駆者。2世市川団十郎の荒事(あらごと)芸の正統な継承者として、『矢の根』『暫(しばらく)』を5世団十郎に伝承した。[古井戸秀夫]

12世

(1812―51)11世の次男。1821年(文政4)座元を相続し、襲名。舞踊に長じ、立役(たちやく)、女方(おんながた)を兼ね、幕末期に活躍した。屋号橘屋(たちばなや)[古井戸秀夫]

13世

12世の次男で、5世尾上(おのえ)菊五郎の前名。[古井戸秀夫]

14世

(1847―93)12世の三男で、5世菊五郎の弟。のちに初世坂東家橘(ばんどうかきつ)を名のる。[古井戸秀夫]

15世

(1874―1945)本名市村録太郎。14世の養子。屋号橘屋。この15世から座元ではなくなる。坂東竹松、6世市村家橘を経て、1903年(明治36)襲名。すっきりした容姿、さわやかな口跡(こうせき)、明るく闊達(かったつ)で花のある芸風は万人を魅了した。助六、『勧進帳』の富樫(とがし)をはじめ、実盛(さねもり)や盛綱などの時代狂言の捌(さば)き役や、切られ与三(よさ)、直侍(なおざむらい)のような江戸世話物の二枚目を得意とし、彼の創造した役のイメージは現代にまで伝わっている。[古井戸秀夫]

16世

(1905―52)本名市村勇(いさむ)。15世の養子。1947年(昭和22)襲名。立役、女方を兼ねた。[古井戸秀夫]

17世

(1916―2001)本名は坂東衛(まもる)。6世坂東彦三郎の子。1955年(昭和30)に襲名。菊五郎劇団の幹部として、指導的立場にあった。90年(平成2)に重要無形文化財保持者、91年に芸術院会員、99年に文化功労者となる。[古井戸秀夫]

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世界大百科事典内の市村羽左衛門の言及

【興行】より

… 江戸時代に入ると歌舞伎や人形浄瑠璃の興行は,江戸でも上方でも共通に幕府から興行権を与えられたもののみが行うことができるというきびしい仕組であった。江戸を例にすると宮地芝居を別として,歌舞伎では1714年(正徳4)9月以降幕末まで中村座の中村勘三郎,市村座の市村羽左衛門,森田座の森田勘弥の3人の座元に限って,歌舞伎を興行する権利が官許され,興行権の象徴である〈(やぐら)〉をあげることができた。この3座を〈江戸三座〉と呼んでいる。…

【座元(座本)】より

…57年(明暦3)の江戸大火後,中村勘三郎,市村宇(羽)左衛門,森田勘弥,山村長太夫の4人に限り座元として興行することが許されたが,1714年(正徳4)の江島生島事件で山村長太夫が官許を取り消され,山村座は廃絶した。以来,中村座の中村勘三郎,市村座の市村羽左衛門,森田座の森田勘弥の3座の座元に限って幕府は興行権を与え,その世襲を制度として公認した。座元は金主から資金の提供を受けて役者の座組をつくり,興行上の一切の責任を負った。…

※「市村羽左衛門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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