日本歴史地名大系 「布佐河岸」の解説 布佐河岸ふさかし 千葉県:我孫子市布佐村布佐河岸[現在地名]我孫子市布佐利根川に置かれた河岸。対岸に布川(ふかわ)河岸(現茨城県利根町)がある。銚子や常陸方面の鮮魚などをなま道(松戸道)により松戸河岸に継送りする拠点。当河岸は当初は河岸場と公認されていなかったが、手賀(てが)沼の新田開発に伴い新ルートができ、荷主の利用が増えるにつれ河岸の性格を強めていった。明暦二年(一六五六)幕府代官による調査が行われた当時、手賀沼には布佐と大森(おおもり)村(現印西市)の境に利根川に連なる幅約六〇メートルの水路六軒(ろつけん)堀があり、銚子・常陸霞ヶ浦などからの鮮魚ほかの荷は船便によりこの水路を経て沼に入り、平塚(ひらつか)村船戸(ふなと)(現白井町)に荷揚げし、松戸河岸を経由して江戸方面に運送していた。寛文期(一六六一―七三)この水路より布佐村高台まで堤防を築き新田開発が始められたため、この手賀沼舟運は失われた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by